「中国語に文法がない」とはよく聞く話です。 私の中国人の友達もそのように言う人もいます。 でも、本当に文法がないということはありえません。 「中国語に文法がない」という言葉を私なりに言い換えると、「英語や日本語などに比べると、ある程度柔軟性があるようだ。だから文法がないように思える。」となります。 つまり、動詞が活用変化しないとか、目的語は文の最初でも動詞の後でもよいとか、中国語のそういう特徴から「文法がない」と錯覚してしまうのです。
例を挙げましょう。
例文1の跳下去はどういう意味でしょうか? 少しでも中国語をかじったことのある人なら、「“飛んで下に行く”だから“飛び降りる”という意味だ」と分かるでしょう。 例文の意味は「ここから飛び降りよう!」です。
では例文2の闹下去はどうでしょうか? 「“闹”は“騒ぐ・(よくないことを)する”だから“騒いで下に行く”という意味だ」とするのは間違いです。 下去は方向補語で、動詞の後に付き、「~し続ける」という意味をもちます。 そのため、闹下去は「(あまり好ましくないことを)し続ける」という意味です。 例文の意味は「彼らがこんなふうにやり続けていくと、問題は解決できなくなる。」という訳が適しています。
このように、文法項目を知らずにいると、意味に大きなズレを生じる場合があります。 特に上記例文で挙げた補語は中国語文法の要で、「動詞+補語」の構造は、英語の過去形・現在進行形などに匹敵するほど、実に多彩な意味をもつようになります。
文法を学習する順序ですが、まずは全文法項目を把握することが先決です。 この段階では内容を詳しく知る必要はありません。 とにかく「中国語にはこういう文法項目があるんだ」ということを学習しましょう。
次のステップは文法の重要項目を徹底的に理解することです。 特に補語は中国語文法において最重要事項ですので、重点的に勉強しましょう。 (この補語については中級中国語にて詳しく解説しています。)
最後に、中級以上を目指す方は虚詞の細かい意味を覚えていきましょう。 虚詞とは、「副詞・介詞・助詞・接続詞・感嘆詞など、文法的関係を示すことのみに使われ、文の主成分にならない語」のことです。 簡単にいうと就や再といった単語のことです。 この虚詞の使い方をマスターできれば、文法は上級に達したといってよいでしょう。
ステップ1が終われば、初級終了です。たいていの文章は問題なく理解できます。 2を終えることができれば、中国語文法はほぼ完璧でしょう。 ネイティブとほぼ同等の中国語レベルを目指す方は3を目標としましょう。